映画の中のサイン
by sda-cinema-p
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第3話 魔女の宅急便
そもそもアニメーションとは原作者や監督・脚本といったスタッフの独自の世界観やストーリーで構成されている場合が多い。
ある意味“非現実的=ウソ”の世界ではあるが、日常を逸脱もしくは過去的だったり未来的だったりするその独特の世界観が共感される要素の一つだと思う。

ことに国民的支持を受けているジブリアニメはそのもっともたる作品だ。
宮崎駿氏が監督を努める作品は基本的にこの世にはありえない世界を描いている。
以前スタジオジブリのスタッフも宮崎駿監督のことを「大ウソツキ」と言っていた(笑)
監督の思い描く世界がまったくの想像上の世界だからだ。

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ところが、そんなウソの世界に登場する時代背景や風景・文化といったものはすべて現実的なものばかり。
トトロはいないけど、昭和30年~40年代の農村風景や鎮守の森・和洋折衷の住宅も確かに存在したし、大人用自転車の三角乗りもやった(笑)
イタリアのアドリア海や第一次世界大戦で活躍した飛行艇の存在は現実だけど、豚が飛行艇乗りになった例はない(笑)
中でも私が好きな作品の一つ「魔女の宅急便」
魔女は非現実的だけど舞台設定や風景・小物にいたるまでほとんどがホンモノ。
ジブリによれば、スウェーデンのゴットランド島で徹底的な取材をしたそうだ。
漆喰の壁やテラコッタの赤い瓦・ドーマー・・・街並の風景を見てみると確かにあのランドマークそのものだし、主人公“キキ”が下宿するパン屋さんの鋳物製の突出サインを始め、店舗のオーニング・フラッグ・街灯・ベランダの手摺・消火栓・下水溝のふた、に到るまですべてヨーロッパには存在する。
個人的に「さすが!」と感じたのは、エンドロールに出てくる突出サインのディテールや取付方法。
リベットの位置までこだわってるところには舌を巻いた(笑)
そんな細かなところへホンモノを持ってくる宮崎監督のこだわりには素直に共感できるところだ。

“ウソの世界にあるホンモノ”
ホンモノがもたらす安心感とウソがもたらす非現実感・・・そのギャップの 面白さが視聴者の共感を得る最大の魅力なのかもしれない。




相蘇裕之(東北地区)






「魔女の宅急便」
アニメーション作品
1989年
原作:角野栄子
制作:スタジオジブリ
監督:宮崎駿
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by sda-cinema-p | 2010-03-16 14:54 | essey
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