映画の中のサイン
by sda-cinema-p
カテゴリ
information
essey
以前の記事
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
日本サインデザイン協会 SDA出版委員会では映画の中のサインについてのエッセイを広く募集中。
詳しくはこちら




その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
第8話 七人の侍
f0218826_131041.jpg「映画の中のサイン」と聞いてすぐに様々な映画に登場する「旗」の映像が頭に浮かんだ。
旗はしばしば歴史映画や戦争映画に登場し、敵味方を区別する。
味方の旗には信念や誇りを抱いたり、敵の旗には権力や結束力を感じて、つい感情を揺り動かされてしまう。
特に、人を鼓舞したり、賞賛を贈ったり、絆を結んだり、勝利や敗北を意味するシーンに登場するとグッとくるものがある。

そんな旗の中でも私が最も印象深いのは、黒澤映画の最高傑作と評されることの多い「七人の侍」に登場する旗だ。
私が好きなこの旗のシンボルは、筆で乱暴に描かれた6つの○と1つの△、その下に書かれた「た」の文字。
その意味は、6人の侍(○)と1人の浪人(△)が農民(「た」)を守るという意味だったと記憶している。
シーンの記憶は正確ではないかもしれないが、シンボルを描く傍らに侍と農民が集まり、そのシンボルの意味を説明すると皆が沸き上がり、三船敏郎扮する菊千代が藁屋根に意気揚々と立てる。そのシーンには笑いと共にジワジワとにじみ出るような喜びがあった・・・という印象で頭に残っている。
決して完成度が高い図柄とは言えない(笑)が、その図柄は勇気がなかった農民に力を与える。
そのシンボルには、侍が農民を守る意思が込められており、真心があって実に暖かい。

もしロゴマーク製作の理想を辿るならば、このシーンにそれが見える気がした。
表現したいことがストレートに描かれたものであって、使う人が誇りを持ち、使うことに喜びを覚えるモノであって、印象深く、どこか暖かい。
なんとなく気に掛かり、「この意味は?」と問いかけたくなるようなデザイン。
実際の仕事では、ロゴマークは最も気を遣わなければならないデザインの一つなのでこう簡単にはいかないが、
難しいことはさておき、版権が許されるならばこのマークでTシャツを作ってもらって、私はそれを着てパリの街を歩いてみたい。




藤井将之(関東地区)



七人の侍
1954年
監督: 黒澤明
出演: 三船敏郎、志村喬、稲葉義男、宮口精二、千秋実

[PR]
by sda-cinema-p | 2010-04-19 13:07 | essey
<< 第9話 めぐり逢えたら 第7話 ゴジラ >>